ネロネロストーリー 5

久美ちゃんのアルバイト先に着くと店主が僕を見て「久美ちゃん飼えるの??大丈夫??」と何度も確認してきた。

昨日の獣医さんが言った事を店主に説明すると「そういうことなら仕方が無いね。アパートに置いていたら大家さんにみつかるでしょ。ここに連れてきてもいいからね」と言ってくれた時は僕は嬉しくて店主さんの顔を見て
長い舌を横にペロリと出した。「まあー可愛い!!」と店主さんは目を細めてくれた。
店先に段ボールを用意してくれた。その中で僕は久美ちゃんの働いている姿を幸せな気持ちで見ていた。
冷たい花を種分けして手が真っ赤になっていた。僕は思い切り久美ちゃんに向かってジャンプして
抱っこして下さいと目で訴えた。「少しだけね」と言って抱き上げ「まあーぁ暖かいネロタンの体」
あーーぁ良かった。久美ちゃんの手が温かくなるのを待って又鈍ボールに戻った。
久美ちゃんは売り物に成る花と成らない花を切りながら分けていた。捨てる花を小さい花束にして
僕の段ボール「ネロタンのブーケよ」といってブルーのリボンに挟んでくれた。
髪はモシャモシャでお花が可哀想だけど・・・良いお顔の舌をペロリと出して2本足で立ち上がり
店の前を通る人たちにブーケを見せつけた♪「僕って可愛い??」ってね。
足早に歩いていた人たちが「まあ〜可愛い」と言って立ち止まってくれた。