僕の心は踊っていた。これから久美ちゃんと一緒に暮らせると思うと幸せな気持ちで一杯になった。
着いた先は1Kの小さいアパートだったが久美ちゃんが「ネロ君と私のお家よ!よろしくね」と
小鳥が歌うような声で僕に話しかけてきた。「私はね小さい時に交通事故で左足を切断したのよ。両親の側にいると
どうしても甘えてしまうから18歳時に家を出たのよ。両親はけっして裕福ではないけど久美には不憫だと言って
いつも我慢して私を甘やかしてしまうのよ。だから障害者手当を貰いながら自立する事にきめたのよ」
僕はまだ生まれて1年しか達っていないがこの子を大切に守って上げようと思った。
殺風景な⒋畳半の部屋にはブックスタンドと机。段ボールが整理ダンスのようにつまれていた。
2月の寒い部屋には暖房は無かったが湯たんぽを作って布団の中に入れて僕をそっと置いてくれた、
「夕食はパンだけどネロと半分ねっ!」パンを牛乳に浸し暖かくして僕にくれた。うまれて初めてこんな美味しいものを
食べたようなきがする。いつもドックフードしか食べなかった僕は思わず長い舌を横に出してぬいぐるみのように
目をクリクリして飛っきりの良いお顔した。「まあー可愛い♪これからなんでも半分ね♪」僕は小さいから半分でも良いけど
久美ちゃんはいいのーーーと言いたい!いつの間にか暖かい部屋と布団の上で眠ってしまった。