3時になるとアルバイトが終わり僕の事を話している声が聞こえてきた。「久美ちゃんペットは飼えないのなら獣医さんに
持っていく方がいいよ」「はい!」と返事がきこえた。僕は又何処かへもっていかれるんだぁ〜
雨があがって2月とは思えない暖かい日差しが獣医さんに行く女の子の気持ちを暖かくしていた。
「私がお金持ちなら直ぐに飼って上げるのにごめんね!たった半日の飼い主だったけど、本当に別れるのがつらいよ〜ぅ」
僕はまだ健康な体に成っていないせいか現状が分からなかったがただこの女の子に抱かれていると
僕が守ってあげたいような気持ちに成ってきた。
獣医さんの前に着いた女の子は「ふ〜ぅ」と大きいためいきを付いて中に入り、先生に僕の説明をしていた。
先生はぼくの体を診て「だいぶ衰弱しているね、栄養失調だよ。この犬は一応シュナウザーだけど
見えないね。それで捨てられたのかもしれないね。今日はビタミン剤の点滴打っておくので」
するとおんなのこは小さい声で「あの〜ぉ私独り住まいで、足も悪いし、自分一人食べるのがやっとです」
「そんな私はペットなんて飼えません。先生の所で引き取ってもらえないでしょうか??」
すると先生は「お金じゃないよペットを飼うのは愛情が一番ですよ、君はそれをいっぱい持っているから
いいパートナーに成ると思うよ、案外このワンちゃんが君を守ってくれるかもしれないよ」
その言葉に迷っていた心が後押ししてくれた。「はい。持って帰ります。おいくらですか??」
先生は「家族になったお祝いに無料だよ」といってくれました。思わず「ありがとう御座います」と言って
病院を出ました。僕は本当に嬉しかった。「私の名前は久美って言うのよ」「君の名前はネロくんでいいですか??」
「理由はねっ!パトラッシュのネロのような飼い主に成りたいから!」これで僕の名前が決まった。
ビタミン剤が効いてきたのか僕は思い切り「ワンワン」大きい声で返事をしていた。