ネロネロストーリー 1

ぼくの飼い主様は結構妄想癖があり願望的な話を時々僕に聞かせてくれます。

この話は実在しない話です。
出会い[犬]
アスファルトの道路から流れ落ちるみぞの雨の中で僕は母の暖かさを思い出していた。
1年前ペット用にシュナウザーの両親から生まれてきたのだ。
始めの1ヶ月母のそばで暖かく長男らしく育っていた。3ヶ月、半年と時が経つに連れて兄弟達は
飼い主様が決まって僕の側から離れていった。僕だけ売れ残ってしまったのだ。
あげくに3日前に紙袋に入れられて空き地に捨てられてしまったのだ!
昨日の夜から降り出したあめに逃れるため溝の中に逃げてきたのだが
僕は最後の声を振り絞り「おかぁさーん ワーーーーァン」と叫んだ。
「まぁ可哀想にこんな所にワンちゃんが 寒かったでしょう」といって女の子が僕をコートに包んでくれた。
ついた所は小さなお花屋さんだった。僕を拾ってくれた女の子は店主様に拾ったことを説明してくれた。
暖かい場所でミルクをもらって僕はなんだか安心したように眠ってしまった。